ピストンリング
潤滑油のコントロールなどの役割を持つピストンリングは、高速運動する部分に使われるため、高精度と高い耐久性が求められている重要な機能部品です。
最新技術情報
ガソリンエンジン用ピストンリング
エンジンの低燃費化が進む中で、エンジンの軽量化・機械的損失の低減が重要な課題となっています。エンジン全体の摩擦損失の約40~50%を占めるピストン周りの摩擦損失低減をはかるために、「ピストンのコンパクト化に対応する薄幅ピストンリング」「低張力ピストンリングの採用」が増加しています。また薄幅、低張力のピストンリングに加えて、TPR独自の新技術を提供しています。
代表的なピストンリング構成
TOP、2ND、OILリングの3本構成で、OILリングには3ピースタイプ
主要技術紹介
TOP、2ND、OILリングの3本構成で、OILリングには3ピースタイプ
水素を含まない・ta-C DLCコーティング
特徴
- 水素を含まないDLC被膜(ピストリング外周面に厚膜処理可能)
- 従来のPVD CrNよりも優れた耐摩耗性、摺動特性を持ち、さらなるエンジンの低摩擦化、低燃費化に貢献する。
- アルコール燃料への優れた適合性を有する。
採用例
- 乗用車用ガソリンエンジン
- 乗用車用アルコール(ガソリン混合)燃料エンジン
a-C:H DLCコーティング (アルミ合金製シリンダ直摺動対応)
特徴
- アルミ合金製シリンダとの直摺動に適したDLC被膜。
- アルミとの優れたマッチング、低フリクションの特性を持つ。
- 当社が世界で初めてピストンリング用DLCとして量産、提供開始。
採用例
二輪車用ガソリンエンジン
外周 上下非対称形状 サイドレール(3ピースオイルリング)
特徴
- 肉眼では見えにくい技術ですが、外周バレル形状の頂点を中心よりも下側に寄せた偏心バレル形状を形成する。
- 偏心バレル形状によって、オイル掻き落とし機能が向上し、フリクション性能とオイル消費性能を両立した設計をすることが可能となった。
- 当社は世界で初めて量産化し、燃費向上に貢献している。
- DLC被膜との組み合わせで、さらなる高機能化が可能。(最新技術情報:サイドレール外周形状AB-1の資料を参照下さい。)
採用例
乗用車用ガソリンエンジン
Tx-3耐デポジット性向上スペーサー(3ピースオイルリング)
特徴
- デポジットに起因する固着、性能劣化を抑制するスペーサー。
- オイルの通路を最大限確保した形状とすることで、オイル流動性の向上により、リング固着を抑制する。
採用例
乗用車用ガソリンエンジン
ディーゼルエンジン用ピストンリング
ディーゼルエンジンでは排気ガス規制・高出力化・長寿命化・低燃費が求められてきており、ピストンリングは耐久信頼性を確保しつつ、オイル消費低減、摩擦損失低減を重視して設定しています。
代表的なピストンリング構成
TOP、2ND、OILリングの3本構成で、OILリングは耐久性を考慮し、2ピースオイルリング。
主要技術紹介
オイルリング フリクション低減形状
特徴
オイルリングの外周面形状のコーナー部にRを設けることで、シリンダボアとの摩擦抵抗を低減する。
採用例
乗用車・商用車用ディーゼルエンジン
レース用ピストンリング
モータースポーツの各カテゴリで活躍している特殊リングです。
特徴
各モータースポーツ用リングの詳細は残念ながら紹介できませんが、エンジン特性に合わせた最適な特殊リングを提供しています。
採用例
国内外モータースポーツ用エンジン